ペン・墨汁・ケント紙・ホワイト・・・懐かしのアナログ漫画道具
で、髪の毛とか真っ黒なところも、一生懸命に青ボールペンで塗りつぶそうとしたり。
墨ベタ(墨と筆で塗りつぶす行為およびその箇所)なんて知りませんでしたからね~。
「スクリーン・トーン」っていう、網点なんかのパターン部分も、点々を規則的に描いてみたり。
「これは(やり方が)違うだろうなあ」とは思いましたけど、なにせスクリーン・トーンなんて存在知りませんでしたからね~。
でも、とりあえずやってみた自分に拍手を送りたい気分ですね。(笑)
そんな状況だった中で、
「つけペンで描く」「ベタ(塗りつぶし)は、筆で塗る」「間違えた部分はポスターカラーのホワイトで修正する」
なんて教えてくれたのが、赤塚不二夫さんの『まんが入門』でした。
も~「開眼」でしたねえ。^^
紙はケント紙か模造紙、みたいに『まんが入門』書かれてたので、さっそく文房具屋さんで買いましたね。
少女まんが家入門―あなたもなれる! (1982年) (入門チャンピオンコース)
漫画製作にさまざまな試行錯誤
赤塚不二夫さんの『まんが入門』に書かれてあってケント紙・模造紙を文房具屋さん(またもや目白にあったマコトヤさん)に買いに行ったわけですが。
ところが、ケント紙も模造紙も、どっちも手頃なサイズがなくて(模造紙のカットしてあるものがあったけど、たしか薄かった気が)、ケント紙のいわゆる全紙サイズを買ってきて、自分で切って使いましたね~。
今のように市販の「マンガ専用原稿用紙」(ほしい方は、この記事の最後に商品リンクあり)なんて売ってませんでしたからね~。
紙がシワになんないように切るのが実に大変でした。
もちろん、枠線用にケント紙にキリで(8か所)穴をあけることも、『まんが入門』の通りに。^^
ただ、ケント紙が厚くてツルツルで、めっちゃ描きにくかったのを憶えてます~。
そこにGペンで絵を描こうとしたら、ガッとペン先が開いちゃってインク(墨汁)が「ボタ~」。^^;
当時はGペンが一番むずかしいペンだと思いましたねえ、力加減が。
慣れると太い線、細い線、どんな線でも引けるのがGペンってことなんですが・・・。
ついに慣れませんでした。^^;
あと、スクリーン・トーンの存在も、『まんが入門』ではじめて知りました。
この本には「絵が冷たい印象になるので、多用は勧めない」みたいにありましたけどね。
もちろん道具のことだけじゃなくて、絵の描き方(デフォルメの仕方とか、パースのつけ方とか、デッサンの方法とか)も載ってたと思いますが、私にはこの道具の部分が衝撃的でしたねえ。
なにしろ、青のボールペンで作画を試みてた私ですから、それこそ、コペルニクス的転回でした。
今から考えると、バカみたいな試行錯誤でしたけど、この試行錯誤することの大事さっていうのも痛感するところなんですけどもね。
はじめから正解が与えられるんじゃなくて。
ちょっと理屈っぽくなっちゃいますが、この「バカみたいな」ってのを、侮ってバカにしちゃあいけないなーと。
少なくとも、あのとき感じたワクワク感っていうのはよく覚えてるし、大事にしていきたい感覚だなあと思いますね~、私にとっては。
【石ノ森章太郎のマンガ家入門】は、プロになりたい人のバイブル
…っていうけど、赤塚不二夫さんの『まんが入門』で道具がそろったからといってスンナリとマンガが描けるわけじゃないわけですけどね、もちろん。
だから、あとは実際にマンガを描いて描いて描きまくるしかないわけですよね、上達には。
その後、子どもながらにもプロの漫画家さんに教えていただく機会がありまして、技術的なことをある程度憶えたんですけどねえ。
今になって、仕事関係でプロの漫画家さんと話をすると、結構私と同世代のみなさんで、
この赤塚不二夫さんの『まんが入門』がほんとに入門だったとおっしゃる方々がいらして。
その道を貫いてプロの漫画家になられたみなさんを羨ましく思いますけど、『まんが入門』は、私にとってもエキサイティングな経験でしたねえ。
『石ノ森章太郎のマンガ家入門』
は、当時は知りませんでしたけど、この本が入門になったプロ漫画家の方々も大勢おられるようですね。
我々よりも、もう少し年長の世代の方は、石ノ森先生の本がテキストだったのかもしれません。
私の場合は、プロ漫画家にはなれなかったけど、ワクワクを与えてくれた赤塚先生の『まんが入門』に感謝ですね!
こちら↓↓↓の『仮面ライダー青春譜: もうひとつの昭和マンガ史』は、著者のすがやみつる先生がプロ漫画家になるまでの実体験をもとに書かれており、「あの頃」の舞台裏の息遣いまで伝わって実に面白く、オススメです。
『石ノ森章太郎のマンガ家入門』の話も出て来ます。
昭和漫画ファンは必読の価値あり!
というわけで、赤塚不二夫『まんが入門』のお話でした!
次回もまた、モア・ベターよ♪
【2021年9月後記】あさの りじ『まんが教室』
当ツイッターのフォロワーさんから、こんなリプをいただきました。
行儀の良いファンと立派な先生…時代が許した蜜月です
赤塚先生からズレて恐縮ですが、こちらは
「光速エスパー」の作者「あさのりじ」先生による物です現代のマンガを戦前の風刺漫画と比較して語る等
漫画を研究し語ります漫画表現とは?と問いかける内容
今でも創作を目指す方にお勧めの名著です pic.twitter.com/jusYHqrCpV— 浦島真琴 まこちゃんでぃす。 (@macochan_this) September 11, 2021
あさの りじ(浅野利治)先生の『まんが教室』。
調べてみると、まだ入手可能なようです。↓↓↓↓↓
「創作を目指している方におすすめ」ということは、核心をついていて深そうですねえ。
「行儀の良いファンと立派な先生…時代が許した蜜月」・・・ほんとにその通りですね。
それが今に至るレジェンド的作品が数多生まれた原動力だったのかもしれないですねえ。
そういう時代を肌で体験できた世代として幸せです。^^
貴重な情報、ありがとうございます。
オマケ↓↓↓
#タモリ がBJに一瞬出るコマ。
手塚治虫のこういうギャグは好き。タモリの生みの親である赤塚不二夫の漫画にタモリは出たのだろうか?
出てないとすれば…タモリはタモリで育ててあげないと、みたいな赤塚氏の矜持だったとしたら、興味深い😃
どう思う? はい、そこのキミ!(←誰なんだよ) pic.twitter.com/h04cgkVNKB
— タメゴロー(恒点観測員341号) (@tamegoro_showa) November 24, 2022
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