【男おいどん】少年マガジン連載のペーソスギャグ!
われわれが昭和ヤングだったころといえば、
宇宙戦艦ヤマト・松本零士
のブームがありましたよね。
宇宙戦艦ヤマトブームは、今に至るアニメブームや声優ブームの嚆矢だと思うんですが。
やはり「ヤマト」を着火点として、松本零士さんの『銀河鉄道999』や『宇宙海賊キャプテンハーロック』など(『惑星ロボ ダンガードA』も)が続々とアニメとして登場してきたように記憶しとりますです。
で、松本零士さんといえば、こうしたSFものの一方で、「大四畳半シリーズ」といわれる、いわゆる「四畳半もの」作品でも知られているんですよねえ。
松本零士さんの四畳半もので私が印象に残っているのは、昭和当時、週刊少年マガジンに連載されていた
男おいどん
ですね~。
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『男おいどん』は、「下宿館」という四畳半部屋のボロ下宿に住んでいる、九州男児と思しき「大山昇太」(おおやま のぼった:一人称は「おいどん」)なる人物の悲喜こもごもを描く連載ギャグ漫画だったんですけども。
松本零士さんの自叙伝的な漫画だったとのことですが、当時なかなかヒット作に恵まれなかった松本さんが、なかばヤケクソ気味に描いたんだそうです~。
ところが、雄々しくも情けなく、情けなくも雄々しい主人公の姿に共感が集まり、人気漫画になっていったんですよねえ。
この『男おいどん』が、松本さんの知名度を名実ともにあげたのではないでしょうか~。
【男おいどん】の「美女とラーメンライス」!
私は当時まだ小学生だったので、少年マガジンもポツリポツリと読みだした頃でして。
ほどなく、永井豪さんの『デビルマン』読みたさに、毎週小遣いでマガジンを買うようになるんですが。
当時のマガジンは、『巨人の星』や『あしたのジョー』の連載で人気を集めるバリバリの硬派漫画雑誌でして、そんな中で連載されていた松本零士さんのゆる~い『男おいどん』は、異彩を放っていましたね~。
当時の昭和ヤング(特に男)は、自分の姿と大山昇太をダブらせて共感を覚えたわけですが・・・
当時、まだ子どもだった私には、正直『男おいどん』は何がおもしろいのやらわかりませんでした。^^;
そんな私でも、松本さんが描く「美女」たちに、なにやら神秘的な魅力を感じてはいましたね。
彼女たちは、のちに「イスカンダルのスターシャ」や「メーテル」に昇華されていく、松本美女の原型といったところでしょうかねえ。
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なにしろ、昇太の前に「松本美女」が現れ、昇太が恋心を抱くものの、いつも不運な運命に終わるのが『男おいどん』のパターンだったですからね。
ただ、小学生がそれに感情移入するのは、ちとハードルが高かったですよねえ。
あと、頻繁に描かれる「インキンタムシ」や(洗濯してない)「縞パンツ=サルマタ」の山や、それに生える?「サルマタケ」なるキノコの話は、正直「・・・」でしたねえ。^^;
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そんな小学生の私が「これはイイ」と思ったのは、『男おいどん』に同じく頻繁に出てくる「ラーメンライス」だったんですよね~。
『男おいどん』に、なにかというと出てくる食事が「ラーメンライス」でして、これが実に美味そうだったんですよね。
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中華料理屋さんのオヤジ(宇宙戦艦ヤマトの佐渡酒造と同じキャラクター)が、「オレのおごりだ」みたくラーメンライスを(何かのお詫びに)四畳半に差し入れてくれたり。
こういうときのラーメンライスはスペシャルで、生卵だか半熟卵が落とされてるんですよね! ^^
以来、ラーメンライス(卵落とし)は、スッカリ私の好物になってしまいましたとさ。
【男おいどん】から【宇宙戦艦ヤマト】!?
私は松本零士漫画は『男おいどん』しか知らなかったので、松本先生は、こういうギャグマンガを描く人だとずっと思っていてですね。
ですので、『宇宙戦艦ヤマト』のキャラやメカを松本零士さんがデザインすると知って、困惑したわけです。
だって、『男おいどん』のどこをどうすれば『ヤマト』になるのか・・・。^^;
で、最初に目にしたのが、たぶん「冒険王」の宇宙戦艦ヤマト特集ページだったと思うんですよね。
2色刷りでヤマト第三艦橋の設定画が載っていて、デザインしたのは松本零士先生であり、「さすがメカに強いだけはある、と編集部でも評判」みたいな解説があったように記憶してます(下の扉絵バックは第三艦橋ですが、コレではないです)。
#宇宙戦艦ヤマト #松本零士 pic.twitter.com/XVes0TkP7L
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で、『男おいどん』のラーメン屋の主人が「佐渡酒造」としてヤマトに出てるし、松本さんの手による漫画版(冒険王連載)を見て、やっとヤマトと松本零士さんが、実感として結びついたわけなんですよね。^^;
そんなこんなで、私にとって松本零士作『男おいどん』は、ラーメンライスの美味さを教えてくれた漫画ということになるでしょうかね~。^^
「四畳半もの」という漫画ジャンルさえ、今はもう遠い昔かもしれませんが、また読んでみたいですね~『男おいどん』は。
松本漫画の大きなテーマのひとつと思しき「男の生きざま」ですが・・・
このトシになってみると、『男おいどん』の大山昇太のそれも、たとえばハーロックやトチロー、はたまたヤマトの沖田十三などのそれも、どれも「男の生きざま」で、違いはないのかもしれないな~なんて思えたりもしてまいります(最後だけ城達也風)。
いうなれば、それぞれ形は違えど、たとえ「男おいどん」昇太のように格好悪かろうが、「オノレの生きざま」ということでしょうかね~。
というわけで、懐かしの昭和漫画・松本零士さんの『男おいどん』のお話でした!
次回もまた、モア・ベターよ♪
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